昨年、印象的だったのは、高峰秀子の写真展だ。高峰秀子生誕100年という企画の一端として、様々な巨匠が撮影した高峰秀子の姿を、彼女の経歴や映画作品とともに紹介する展示で、高峰秀子本人が書いた各写真家や監督とのエピソードがとてもおもしろくて、エッセイも読んでみたくなるほどだった。

その一方で、高峰秀子の生い立ちは想像を絶する。
北海道で五人兄弟の四番目として生まれるが、幼い頃に母親が亡くなり、東京の親戚に養女に出される。それからすぐに養母に子役のオーディションを受けさせられ、五歳でデビューし、それ以降、一家十数人を養う大黒柱として働き続けた。
高峰秀子自身は才能豊かで向学心があり、機運にも恵まれて女優としても文筆家としても大成したが、そもそもが望んで役者の道に入った人ではなかったのだ。

日本映画に多大な貢献をした大女優が子役時代からそのように搾取されていたという事実は、古き悪しき日本そのものだなと思った。
2026/01/03(土) 14:59 Comment(0) permalink