2011年
何年振りか、配信されていたのを見つけて視聴。
アメリカ映画だが、主演のエミリー・ブラウニングがオーストラリア出身であったり、印象的にビョークの曲が使われていたり、登場人物のデザインや全体の世界観にそこはかとなく日本のオタク文化が香っていたりと、あまりアメリカのムードを感じない不思議なダークファンタジー映画。

主人公のベイビードールは母親を亡くし、自分と妹を思い通りにしようとした義理の父親を銃で撃とうとして、誤って妹を撃ってしまう。義理の父親はそれをいいことにベイビードールを精神病院に入れ、五日後にロボトミー手術をすることを決めてしまう。
主人公は為すすべもなくセラピーを受けながらその時を待っている……と思いきや、あるきっかけで世界はファンタジーへと切り替わり、ベイビードールはその中で出会った少女たちとともに、五つのアイテムを集めて自由を手にする冒険へと旅立つ。

この映画は多重構造になっていて、たぶん現実である精神病院の世界と、ファンタジーの世界でありながらどこか現実味を感じさせる、少女たちを働かせる娼館の世界、そこからさらに飛躍したファンタジーの世界で、少女たちはアイテムを集めることになる。
年代は古い設定だが、少女たちの服装はどこかディストピア的でもあって、ベイビードールのブロンドのツインテールにカチューシャ、つけまつげにはっきりしたピンクのチーク、これでもかってくらいのピンクのグロスはかつてのギャル的ですごくかわいい。ミニのセーラー服風の衣装に刀や銃を振るって、甲冑をまとった巨人と戦う姿はまるっきり日本のゲームである。

少女たちは仲間を失いながらもアイテムを手に入れ、最後には希望となる少女を精神病院から逃がす。
少女たちの刹那の絆や、圧倒的な困難に向かっていく姿。最後の最後まであきらめないラストには感動する。

オタク文化になじみのない人には受け入れがたいテイストかもしれないけど、私は好き。
2020/01/27(月) 02:42 Comment(0) permalink

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